《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜

言いながら爽介はチラッと行列に
目をやって、肩を落とした。


「これじゃ今日はムリだな。

今から並んでも何時になるか
わかんねー。

やっぱ予約しとかないとダメか」


「え……いいじゃない、並べば」


せっかく来たのに帰るなんて
もったいない。


それに、ここにコンクールでの
ライバルがいるってわかってて、
このまま黙って帰るなんてでき
ないでしょ。


でも爽介は、あたしのセリフに
『うへっ』て感じで顔をしかめる
と、


「イヤ……オレ、並ぶのとか
超キライなんだけど」


――――は?


キライって……そんな理由で、
帰ろうとしてんの?


「――あんたねっ!

コンクールとどっちが……!!」


大事なのよっ! って怒鳴って
やろーとする声に。


至近距離からの、よく通るハリの
ある声が重なる。


「あれ? 桐生クンじゃない?」


――――え?


あたしはピタッっとセリフを
切って、声の方向を見た。