《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜

爽介はまだ若干23歳だけど、学生
時代からコンクール優勝経験も
ある、一部では天才って称される
くらいのパティシエで。


特にチョコレートを扱わせたら、
その腕はピカイチ。



そんな爽介は、先日このコン
クールの二次予選に挑んで。


――見事、日本代表のひとりに、
選ばれたんだ。



そして……あたしもこのコン
クールのことを気にする理由は、
もちろんちゃんとあって。



二次予選で出品した作品に、
あたしもスイーツのデザインの
部分で、協力してた。



……ううん。この言い方は、
正確には正しくないな。


たしかに形としては、『スイーツ
のデザインに、個人的に協力』
なんだけど。


実際には――これは、あたし達
2人で挑んだコンクールだから。




2年間、第一線で活躍するファッ
ションデザイナーになることを
夢見て、パリで勉強してたあたし。


でもその夢は敗れて……挫折感
いっぱいで帰国したあたしは、
もうデザインに携わることも
諦めてた。