《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜

「ナニよそれ。

ホテルの名前は?」


すでにサッサとシートにまたがり
始めてる爽介に背後から問い
かけると、爽介は一瞬だけ体を
とめて、


「エメラルド・ヴィラ・トーキョー」


「エメラルド・ヴィラ……?」


聞いたことない名前だった。


首を傾げたあたしに、


「何年か前にリニューアルオー
プンしたプチホテルだよ。

ホラ、予約してねーんだから、
混む前に行くぞ」


『早く来い』って感じで手招き
すると、爽介はしっかりシートに
またがって、メットの装着まで
済ましちゃう。


さっき、かまわないって言っ
ちゃってるし――今さらちょっと
待ってとも言えないか


あたしは気になる気持ちを押さえ
て、おとなしく爽介の後ろに
またがった。


すぐに、バイクは走り出して。


さっきのセリフどおり、特に道に
迷う様子もなく、軽快な速さで
目的地を目指す。


傾きかけた陽の中を走り続けて、
爽介がバイクを停めたのは……。