「ナニよそれ。
ホテルの名前は?」
すでにサッサとシートにまたがり
始めてる爽介に背後から問い
かけると、爽介は一瞬だけ体を
とめて、
「エメラルド・ヴィラ・トーキョー」
「エメラルド・ヴィラ……?」
聞いたことない名前だった。
首を傾げたあたしに、
「何年か前にリニューアルオー
プンしたプチホテルだよ。
ホラ、予約してねーんだから、
混む前に行くぞ」
『早く来い』って感じで手招き
すると、爽介はしっかりシートに
またがって、メットの装着まで
済ましちゃう。
さっき、かまわないって言っ
ちゃってるし――今さらちょっと
待ってとも言えないか
あたしは気になる気持ちを押さえ
て、おとなしく爽介の後ろに
またがった。
すぐに、バイクは走り出して。
さっきのセリフどおり、特に道に
迷う様子もなく、軽快な速さで
目的地を目指す。
傾きかけた陽の中を走り続けて、
爽介がバイクを停めたのは……。
ホテルの名前は?」
すでにサッサとシートにまたがり
始めてる爽介に背後から問い
かけると、爽介は一瞬だけ体を
とめて、
「エメラルド・ヴィラ・トーキョー」
「エメラルド・ヴィラ……?」
聞いたことない名前だった。
首を傾げたあたしに、
「何年か前にリニューアルオー
プンしたプチホテルだよ。
ホラ、予約してねーんだから、
混む前に行くぞ」
『早く来い』って感じで手招き
すると、爽介はしっかりシートに
またがって、メットの装着まで
済ましちゃう。
さっき、かまわないって言っ
ちゃってるし――今さらちょっと
待ってとも言えないか
あたしは気になる気持ちを押さえ
て、おとなしく爽介の後ろに
またがった。
すぐに、バイクは走り出して。
さっきのセリフどおり、特に道に
迷う様子もなく、軽快な速さで
目的地を目指す。
傾きかけた陽の中を走り続けて、
爽介がバイクを停めたのは……。

