別に爽介の希望の場所に行くのが
イヤなわけじゃないけど。
こんなふうに爽介が言ってくる
のって、けっこう珍しいから。
舌肥えてるくせに、自分の食事
にはてんで無頓着で。
『何食べる?』って聞いても、
いっつも『なんでもいいー』
としか言わないくせに……。
「かまわないけど……どこ行く
のよ?」
どっか変なとこ連れてく気じゃ
ないでしょーね?
そんな疑いの目でジトッと爽介を
見上げたんだけど、爽介はシレッ
とした口調で、
「ホテル」
「えっ!?」
それはちょっと早いでしょっ!!?
――って、イヤイヤ、違う。
『ご飯食べよ』って言ってたのは
爽介だもん、それはない。
たぶん、『フツーの』ホテルだ。
ったく……あたしが暴走して
どーすんのよ
あたしは狼狽したのを見抜かれ
ないように慌てて表情を取り
繕って、
「ホテルって、どこの?」
「どこだったっけな〜。
ありゃ、目白かな。
まあ道は走ってればわかる」
イヤなわけじゃないけど。
こんなふうに爽介が言ってくる
のって、けっこう珍しいから。
舌肥えてるくせに、自分の食事
にはてんで無頓着で。
『何食べる?』って聞いても、
いっつも『なんでもいいー』
としか言わないくせに……。
「かまわないけど……どこ行く
のよ?」
どっか変なとこ連れてく気じゃ
ないでしょーね?
そんな疑いの目でジトッと爽介を
見上げたんだけど、爽介はシレッ
とした口調で、
「ホテル」
「えっ!?」
それはちょっと早いでしょっ!!?
――って、イヤイヤ、違う。
『ご飯食べよ』って言ってたのは
爽介だもん、それはない。
たぶん、『フツーの』ホテルだ。
ったく……あたしが暴走して
どーすんのよ
あたしは狼狽したのを見抜かれ
ないように慌てて表情を取り
繕って、
「ホテルって、どこの?」
「どこだったっけな〜。
ありゃ、目白かな。
まあ道は走ってればわかる」

