もうレジに向かって歩き出してる
貢に急かされて。

美紅ちゃんは何か言いたそうな
視線を残しつつも、足早に貢を
追って……そうしてふたりは店を
出て行った。


「兄妹でお出かけか。

仲いいのねー」


窓から少しだけふたりを目で
追って。


その姿が見えなくなってから、
再びスケッチブックに視線を
落とす。


「コイゴコロ、か……」



貢にはあんなふうに言ったけど。


ホントのところは、恋心なら、
ド真ん中で身近ではある。


……いちおー、あたしも恋愛中
だし/////


けど、恋心をボンボン・ショコラ
で表現するなんて、できるかな?



「やってみますか――」


あたしは小さくつぶやいて、もう
一度、色鉛筆を手に取った――。



     ☆☆☆☆☆