☆☆☆☆☆
タクシーの車内で携帯の振動に
気づいたあたしは、急いで応答
して通話口を耳にあてる。
『お。よーやく出たかよ』
聞き慣れたいつもの声。
でも、ちょっとだけむくれてるっ
ぽい。
「ゴメン爽介。
何回も電話くれてた?」
矢崎さんと話してるうちにすっ
かり気が高ぶっちゃって、爽介
からの連絡を待ってたこと、一瞬
忘れちゃってた
『これが3回目。
どーした、なんかあったか?』
「――うん、ちょっと偶然知り
合いと会って」
勢いとはいえ、誰にも言わないっ
て約束しちゃったし、あたしは
それだけを話す。
まぁ、あんな感じ悪い話、あえて
言い触らそうとも思わないけど。
爽介は特に不審がる様子もなく
『そっか』と呟くと、
『業者ンとこ、今出たばっか
なんだ。
こっちもすっかり遅くなっち
まった』
――そーよっ、矢崎さんのこと
なんか考えてる場合じゃない。
爽介がコンクールに向けて動き
出したんだ、こっちの方が何倍も
重要じゃない!
タクシーの車内で携帯の振動に
気づいたあたしは、急いで応答
して通話口を耳にあてる。
『お。よーやく出たかよ』
聞き慣れたいつもの声。
でも、ちょっとだけむくれてるっ
ぽい。
「ゴメン爽介。
何回も電話くれてた?」
矢崎さんと話してるうちにすっ
かり気が高ぶっちゃって、爽介
からの連絡を待ってたこと、一瞬
忘れちゃってた
『これが3回目。
どーした、なんかあったか?』
「――うん、ちょっと偶然知り
合いと会って」
勢いとはいえ、誰にも言わないっ
て約束しちゃったし、あたしは
それだけを話す。
まぁ、あんな感じ悪い話、あえて
言い触らそうとも思わないけど。
爽介は特に不審がる様子もなく
『そっか』と呟くと、
『業者ンとこ、今出たばっか
なんだ。
こっちもすっかり遅くなっち
まった』
――そーよっ、矢崎さんのこと
なんか考えてる場合じゃない。
爽介がコンクールに向けて動き
出したんだ、こっちの方が何倍も
重要じゃない!

