『結婚してるよ』


(ほらやっぱり結婚してたんじゃん。

騙してたんじゃん。

今までなんだったの?

どうして今まで黙ってたの?

なんで言ってくれなかったの?

少しでも信じてた私って・・・

私って・・・・・・ )



今まで嘘ついてるなんて疑わなかった。



そんな自分が惨めで可哀相で涙が止まらない。



ママは彼を帰らせ私を宥めた。



私の家にある荷物を取って帰るからと彼からメールがあった。



(これで終わったよ。

これで良かったんだよ。)



私の中で止まっていた時間が動き出した気がした。



でも私は知らなかった。



私の心が弱く脆く今にも壊れてしまいそうになっていたことを。