『あなた』へ

『耳鳴りが止まらないから病院に行ってくるね』



そう言って病院へ向かった。



あの日以来耳に小さな雑音が常に流れていたので耳鼻科で診てもらおうと思った。




『佐藤さん、耳の鼓膜破けてますね〜

鼓膜ってぶつけただけじゃなかなか破けないんですよ〜

・・・殴られたんですか?』



その言葉を聞いた瞬間溜めていた熱い涙が溢れ出す。


止めたくても止まらない、勝手に溢れ出す。



『ぅ゛うっぅ゛・・・ヒックヒック』


過呼吸になりながらもらゆっくり話した。



私は今悲しみのど真ん中にいた。


『佐藤さん・・・

はっきり言っておきますけど、暴力は絶対直りませんよ

自分でどうにかしなければいけません

鼓膜の写真は何かあったときの為に保存しておきますから必要になったら言ってくださいね』



今思うとすごくいい先生だったんだなと思う。



それでもその声は私の心の奥までは届かない。



私じゃない私が一生懸命それを拒むからだ。