『あなた』へ

まさか・・・電車に飛び込む気なの?!


なんで・・・動揺しながら私は、また何度もかけ直す。



まさかもう死んでるってことはないよね?



携帯電話は壊されて誰にも連絡が取れない。



私は、ただ怖くて怖くて泣いた。



ようやく電話が繋がった電話に出た彼は泣いていた。



『俺・・・死のうと思ったんだけど死に切れなかった・・・電車が来たとたん怖くて避けた・・・』



(・・・ー良かった)



好きとか嫌いとか関係なしに、自分の為に人が死ぬかもしれないというのは恐ろしい。



(私に心配かけてそんなに楽しいの?)



少しの苛立ちと同時になぜだか自分への罪悪感が芽生えてきた。



私のせいでそんなに追い詰めてしまったのか、私はごめんねごめんねと繰り返した。



『どこにいるの?』



と聞くと申し訳なくて会えないと言ってきた。



電話で話しているうちに私はあることに気付いた。



電話の向こうから足を引きずってる音がした。




まさか・・・怪我をしている?!最悪の事態が脳裏を過ぎる。



私は居ても立ってもいられなくなり家を飛び出した。



2時間くらい探し回った。途中で電話は繋がらなくなってしまった。



電車と言っていたから線路沿いなのは間違えない。



家の近くの線路を探し回った。



貨物列車が通る度不安が増していく。



もし最悪の事態が起こっているとしたら私は一生それを背負って生きていかなければならない。