そして、その言葉の続きを知った時にはもう君はあたしの隣にはいなかったんだ。 「───わ、紗和っ!」 「…えっ?あ、みっちゃん」 「意識飛んでたよ、紗和」 パッと顔をあげて、大丈夫と言うあたしにみっちゃんは心配そうに眉を曲げた。 「また…アイツ?」 「…う、ん」 またアイツ。 きっと、これからもあたしの頭の中はアイツで。 アイツはあたしの隣からいなくなったものの、今でも容易に心を拐っていくんだ。 ねぇ… 心だけじゃなく、身体ごと拐ってってよ… …─────ねぇ。