杏梨ちゃんは何度も叱ってくれたけど 結局告白はできないまま 決勝戦まで勝ち進んだ。 「やっぱ準決勝相手は強かったなー。 けど勝ててよかったよかった!!」 今日は準決勝帰りにまた打ち上げ。 「…実波チャン。 告るなら今じゃない?」 杏梨ちゃんはこそっと耳打ちしてくる。 「…やっぱ無理だよ…。 振られて気まずくなるくらいだったら今のままのほうが…」 ―ガラッ いきなりドアが開いて―――― 「小倉達也クンいますか―――?」 可愛い女の子が入ってきた。