「ありがとう。また、分かったら電話する」
「うん…わかった」
佳奈は、まだ不安げで心配そうに返事をした。
「じゃ、またあとで」
「うん」
あたしは、電話を切った。
「さてと…」
ゴクッ。あたしは、生唾を呑み込んだ。
頑張るのよ!唄!
あたしは、自分の携帯に電話を掛けた。
「プルル…プルルル」
どうしよ…。やっぱここは、大人しくしている方がいいわよね。
下手に動いたら携帯が危ない。
「プルル……」
呼び出し音が終わった!!あたしは、深呼吸をした。
「あ、あの!あたしの携帯を拾ってくれた方ですか「はぁ…。お前だったのか」
はっ?
その声、まさか…!
「なんで、あんたが持ってるのよ?!」
「それが、拾ってくれた人に対する言葉か?」
あたしは、パニックを起こした。
なんで、よりにもよってあんたな訳?!
「あ、ありがとう…携帯拾ってくれて」
あたしは、お礼をいった。
「…たまたま拾っただけだから礼を言われるほどの事じゃない」
あいつは、素っ気なく答えた。
「でも、あんたが拾ってくれなかったら。ヤバかったし」
「…そうか」
あいつも、分かってくれたみたい。
「あっ。なんで、交番に届けなかったの?」
あたしは、疑問に思い尋ねた。
「交番に届けようと思ったが、あいつらが逃げた方角が一緒だったから届けれなかった」
「なるほど」
あたしは、納得した。
「それに、持ち主から電話が掛かってくると思って。明日、交番に届けるつもりだった」
「そっか。どこで拾ったの?」
あたしは、聞いた。
「……」
あいつは、急に黙った。

