君に幸せの唄を奏でよう。




2対1。どう見たって、こちら側が不利。


だったら---


「佳奈」


「ど、どうしたの?」


佳奈が、とても不安な表情をした。


「この角に隠れてて。リュックお願い」


「え……なに言ってるの?」


佳奈は、状況が飲み込めなくてオロオロする。


「大丈夫。すぐ、戻ってくるから」


あたしは、あいつの所に向かった。


「唄ちゃんっ!」


佳奈が叫んでいたが振り向かなかった。


「ガキだからって手加減しないからなッ!」


「お前をボコボコにしてやるッ!!」


男たちは、喧嘩するき満々だった。


「俺は、別にあんた達と喧嘩しにきたわけじゃない」


「そうよ!こいつは、関係ないわ!」


あたしは、あいつの横に立った。


「お前…なんで逃げないんだッ!!」


あたしは、怒られてビクッとした。


「あんた置いて逃げられないわよっ!」


それに、佳奈があんたの事を心配してるし。


「だからって、戻ってきても-」

「調子にのってんじゃねーよッ!!」


男があたし達に殴りかかってきた。


あいつは、あたしを離れさせて、男の拳を避けた。


「はぁ…やっぱ、こうなるのか」


あいつは、ため息をつきながら言った。


「この野郎ッ!!」


パシっ。


「おわッ?!~っ!!」


あたし達は、ビックリして唖然とした。


あいつは、男の腕を掴み一瞬で足払いをし男をこかした。


あいつ…強いっ!!


「わっ?!」


 あたしは、もう1人の男の拳を避けた。


「女だからって、手加減しないからなッ!!」


おいおい。さっきまで、可愛いとか言ってたくせに、断られるとこれ?


フッ…子供ね。


「…じゃ、遠慮なく」


 あたしは、構えた。


男が殴りかかってきた。