君に幸せの唄を奏でよう。




「いいじゃん。遊んでくれたら許してあげるよ」


この人たち、最低ッ!


「そんなに怒んないでよ」


もう1人の男があたしの腕を掴みながら言ってきた。


「ちょっ!離しなさいよッ!」


振り払おうとしたが、男の力には勝てなかった。


「怖いの?可愛い」


「いやっ!!」


嫌がっている佳奈にニヤニヤしながら言った。


「あんた、佳奈に手ぇ出したら許さないからッ!」


「強がって可愛いね」


あたしを掴んでいる男は、楽しそうな顔をしながら言ってきた。


やばいッ!このままじゃ…!!




「い゛てててッ!!」


佳奈を掴んでた男が手を痛そうに押さえていた。


「っテメ、なにすんだ!」


男が怒鳴った。


あいつ………!!


あたしは、そいつに見覚えがあった。


「こいつらが嫌がってるのに、あんたらが離さないからだ」


河原で会った、あの時の………!!


「なんだよ!あいつ!」


男は、あたしを離しあいつに殴りかかろうとした。


危ないっ!!


あたしは、とっさにリュックを男の顔にぶつけた。


「…このッ!」


「ぶっ!!」


男の顔にヒットし、勢いで倒れた。


「佳奈、大丈夫?!」


あたしは、佳奈に駆け寄った。


「だ、大丈夫。ごめんね…私のせいで…」


佳奈は、泣きそうな顔をしながら言った。


「大丈夫。気にしないで」


あたしは、微笑みながら言った。


「でも、あの人が……」


佳奈は、あいつに指を指しながら言った。


「テメエらぁ!!調子にのりやがって!」


「つけあがるのもいい加減にしろよッ!」


男たちは、怒っていた。


「別につけあがってない」


あいつは、冷静に言った。