君に幸せの唄を奏でよう。




「また買い物に来ようね♪」


「うん…」


佳奈は楽しそうな顔をしていた。あたしは疲れきっていた。


あの後、うさ耳バンドやカチューシャーなどを試着させられた。


2人は、まるで人形の着せ替えごっこをしている小さな子供に見えた。


買い物で初めて疲れた…。


しかも、佳奈がいつもと違うキャラだったので、怖かった。


「唄ちゃん」


佳奈があたしの名前を呼んだ。


「ん?」


「服選んでくれてありがとう♪」


佳奈が嬉しそうな顔をして礼を言ってきた。


「あたしこそ服選んでくれてありがとう」


佳奈のおかげで、ワンピースサックス色のデニムのショーパンが買えた。


なんだかんだ言って、いい買い物も出来た。


まぁ、たまにはいっか♪


あたしは、そう思った。


「佳奈。CDショップ行っていい?」


あたしは、佳奈に聞いた。


「うん♪」


あたし達は、CDショップに向かった。


「やったー♪RINAのアルバム出てる♪」


あたしは、RINAのコーナーからアルバムを取った。


「私、RINAの曲大好き♪」


「あたしもすっごく好き!!歌声も歌詞もすっごくいいし♪」


RINAは、シンガーソングライター。一昨年、デビューしたばかり。今は、超売れっ子。


「私も買おかな♪唄ちゃんも買う?」


佳奈が聞いてきた。


「もちろん♪」


あたし達は、レジに向かおうとした。


「唄ちゃんっ!!」


佳奈が突然叫んだ。


「どうしたの?」


あたしは、ビックリして佳奈に聞いた。


「試聴コーナーにRINAの曲があるよ!」


「本当ッ!?」


あたし達は、試聴コーナーに行った。


「あった!!【恋心】!」


あたし達は、ヘッドフォンを付け再生ボタンを押した。