実際着てみると着やすい。ベストもあるので着ても甘々になってない。
……まぁ、1着くらい持っててもいいかな。
あたしは、初めてそう思った。
「じゃ、これ買います」
「ちょっと待って下さい」
はい?店員に会計するのを初めてとめられた。
「なにか足りないような…」
「言われてみれば、そうですね」
佳奈は、店員の言う事に納得していた。
佳奈、納得しないでよっ~!!
あたしの心の叫びは、届かなかった。
「ちょっと待ってて下さい」
店員は、そう言いどこかに行った。
「…ねぇ、佳奈」
「ん?」
「とりあえず着替えてもいいかな?」
「もうちょっと待ってね♪」
笑顔で即答されてしまった。本当は、着替えたいけど佳奈の無邪気な笑顔を壊す事も出来ない。
どうやら、あたしには拒否権がないらしい。
「お待たせしました。こちらを付けてはどうでしょうか?」
店員が戻ってきた。
「わぁ♪凄くいいですね♪」
店員は、うさ耳バンドを持ってきた。
「絶っっっ対嫌だッ!!」
あたしは、抗議した。最近、テレビや雑誌でみんなが付けているのをよく見かける。
「どうしてですか?」
店員が、あたしに不満そうに聞いてきた。
なんで、不満そうに聞いてくるのよぉぉぉッ!!
「結構ですっ!これだけでいいです!!」
「じゃ、試着だけしよ♪」
「はい?!」
予想外の答えが返ってきたので、ビックリした。
「試着だけしよ?」
佳奈が、可愛いくお願いしてきた。
「うっ…」
「そうですよ。試着だけでも」
あたしご愁傷様。

