君に幸せの唄を奏でよう。




なんか凄く楽しそうな顔してませんかッ?!


「どれがいいかな…」


佳奈は、ワンピースを見ながら悩んでいた。


「佳奈…あたしワンピース系はちょっと-」


「わぁ♪これ絶対似合うよ」


佳奈は、あたしの話しを聞いてくれなかった。


うわーんっ!あたしの話しを聞いてよッ!!


「唄ちゃんは、白が似合うと思うよ♪」


佳奈は、選んできたワンピースを嬉しそうにあたしに見せてきた。


デニムのベスト付きで、白のフリフリのワンピース。


「無理よっ!絶対、似合わないっ!!」


あたしには、可愛い系は似合わないッ!!


「可愛いから似合うよ♪」


佳奈は、自信満々に言ってきた。


佳奈、あなたそんなキャラだったっけッ?!


「可愛い系とか絶対似合わないからっ!」


そもそも、あたしのクローゼットの中はワンピースは1着もない。


「あたしは、カッコイイ系が-」


「どうされました?」


背後から声が聞こえた。後ろに振り向くと、若い店員がいた。


何故、このタイミングでくるッ!!空気読んでよーッ!!


「ワンピースをお探しですか?」


「はい。こっちの友達が」


佳奈は、店員と話しを進めていた。


何か買う前提になってるしーっ!!


「試着されてはいかがですか?絶対似合いますよ♪」


店員は、笑顔で言ってきた。


「絶対、似合うから試着しよ」


「いやだぁ~」


あたしの声は、虚しくも2人に届かず、試着室に連れていかれた。


-----数分後-----


「可愛い♪凄く似合ってる♪」


「お客様、凄く似合ってますよ♪」


ワンピースを着てる自分が鏡に写っているので変な感じ。


生まれて15年。生まれて初めてワンピースを着た。