君に幸せの唄を奏でよう。




「高橋は、わざと言ったわけじゃないんだろ?」

あたしは、必死に首を縦に振る。

「じゃ、この話は解決で。紅茶運ぶの手伝ってくれる?」
「うんっ!」
「「みんなお待たせ」」

 あたし達は、紅茶を運んだ。

「仲直りできたんだな」

紅茶を配っているあたしの耳元に、亮太が小声で話す。あたしは笑って応えた。

「じゃ、みんなで食べよっか」

浩ちゃんは、ケーキの箱らしき物を持ってきた。浩ちゃんは、箱を開けた。開ける時、中身が見えた。

「そ、それは…!」
「どうした?」

亮太が不思議そうに聞いてきた。

「花田屋期間限定の“イチゴシュークリーム”!これどうしたの?!1日100個限定の超レアだよね?!」
「お前、妙に詳しいな」

まさか、あの限定商品を食べれるとは思ってなくてあまりにも嬉しくてつい興奮しているあたしに、亮太は呆れていた。

「今日、母さんが買ってきてくれたみたいなんだ」
「浩ちゃんのお母さん優しい」

まさか、こんな所で廻り会えるなんて…!浩ちゃんのお母さんは、神様だ!

「じゃ、みんなで食べよっか」

あたしは、シュークリームを食べた。

「「「「美味しいっ!」」」」

シュークリームの美味しさに、皆の声がハモる。それがなんたが可笑しくて、皆で顔を見合せて笑った。