しばらくしてから、バス停に止まって扉が開く。乗客は、小さな子どもを連れた家族。すると橘 奏は、窓の外を見ながら「あっ」と声を零した。
「どうしたの?」と声をかけると、橘 奏は人差し指を窓の外に向ける。指さした先は、星ヶ丘公園。
この公園は、広い公園で沢山の種類のアスレチックやキャンプ場もある。小さい家族連れから大人までも楽しめる場所。
「この前、ここで宮木達とバーベキューをしたんだ」
「いいな~楽しそう。バーベキューも良いけど、この公園の丘から見える星も綺麗なのよ」
星ヶ丘公園は、星が綺麗に見える丘として有名。いろいろな角度から星が眺められる様に、いくつも丘が作られてある。
「ああ。星や流星群がはっきり見えて、東京よりも綺麗だった。だから、あそこは俺のお気に入りの場所なんだ」
「もしかして、星が好きなの?」
あまりにも、橘 奏が楽しそうに星の話をするから、思わず聞いてしまった。すると、カァと顔や耳を真っ赤にして、手の甲で口元を隠した。
「……男が、星が好きとか可笑しいよな」
なぜか、とても恥ずかしそうに視線を逸らして話す。
もしかして、星が好きな事で恥ずかしがってるのかな?そう思うと、その仕草が可愛いくて、胸の奥がきゅんとなる。
「可笑しくないよ。凄く素敵だと思う」
あたしは思っている事を素直に言うと、橘 奏の目が大きく開かれた。だけど、すぐに優しい微笑みへと変わる。
「そんな事を言ってくれたのは、高橋が初めてだ」
あまりにも嬉しそうに微笑むから、あたしも嬉しくなって微笑む。
「もしかして、高橋も星が好きなのか?」
「うん。たくさんの星が、一つ一つ輝いてて綺麗だから好きなの」
「じゃあ、今度見に行く?」
突然サラっと言われて、胸がドキッとなった。だけど、答えは決まっていた。
「うん。見に行きたい!」
「じゃあ、約束な」
橘 奏は、嬉しそうにあたしと約束を交わしてくれた。
大好きな星を大好きな人と見に行く約束が出来て、嬉しくて心臓がドキドキした。

