だから嬉しかった。亮太達が、こんなあたしを受け入れて友達になってくれたこと。バンドを組んでくれたこと。本当に嬉しかったから、弱い自分を醜い自分を見せられなかった。
だからこそ、余計に弱い自分を見なかった。
でも、全部間違ってたんだよね。自分自身を守れない人が、友達を守るなんて出来ないよね。自分で自分を見放して追い詰めたから、こんな事になったんだよね。もっと、自分を大切にすれば良かったんだよね。
あたしが心の底から笑っていないと、亮太達を悲しくさせるんだね。自分を大切にしないと、苦しい思いをさせるんだね。悲しい時笑顔でいれば、何とかなると思ってたけど違うんだね。結局は、あたしがあたしを誤魔化すための笑顔だったんだね。
全部全部、あたしのせいにして弱い自分から逃げてたんだね。ごめんね。自分と向き合う勇気がなくて。もっと早く受け止めれば良かったんだね。そしてあの出来事も、傷付けることになっても全部話せば良かったんだよね。
ごめんね、ごめんね----。中途半端に守った気取りで居てごめんね---。
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パシャと、泣き疲れた目に冷たい水をかける。蛇口をひねって、家から持って来たタオルで優しく拭いた。
ふと、目の前にある鏡に映る自分の姿を見る。さっきと比べたら、マシだけど目が少し赤い。
泣きすぎた……。一生分泣いたような気がする。
でも、この涙を無駄にしない。弱い自分を受け入れて違和感はあるけど、小さな一歩を踏み出せたような気がする。だからもう、後悔の無いように亮太達と前に進みたい。
今度こそ、本当の意味で強いあたしになりたい--。
決意をしたあたしは、化粧室から出て橘 奏が待っている休憩場に向かう。さっき座っていたベンチに着くと、何故か橘 奏がじーっと凝視をしていた。
え?!なに?!まだ目が赤すぎて、ヤバイ感じなの?!トマト並みの真っ赤なの?!
「……高橋」
「は、はいぃぃ!」
「今から時間あるか?」
「え?」

