君に幸せの唄を奏でよう。



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「そうか…」


橘 奏が、ぼそっと呟いたのを聞いて我に返る。


って、全部話しちゃったよ---!佐藤先輩を嫌いになった理由と出来事を言うつもりだったのに、その後の出来事も勢いで言っちゃった!


でも、弱音は吐いてないから大丈夫。あくまでも、出来事を言っただけ。それに、心の声も言ってない。大丈夫バレてない!


だけど、必要な部分以上に話し過ぎちゃった。はは…なにやってるんだろ。そんな自分が情けなくて、心の中で自嘲的に笑う。


「ダラダラ話してごめんね。それと、話を聞いてくれてありがとう」


お礼を言ったけど、橘 奏は何も言わず黙り込んでいた。


だよね……。普通、こんな話をされて気分のいい人なんていないよね。そもそも、あたしが甘えるように話しちゃったからこんな事になった。


せめて、この空気だけでも何とかしかないと……!


「の、喉渇かない?橘 奏は何が飲みたい?あたし買ってくる---?!」


自動販売機に、飲み物を買いに行こうととして立ち上がったけど手を掴まれた。何も言わず強引に手を引っ張られ、あたしが座っていた元の場所に座らされる。

一瞬、自分の身に何が起きたのか分からなくなった。とりあえず、橘 奏の様子を知る為チラッと盗み目をする。何故か、橘 奏は黙ったままこちらを凝視していた。


もしかして、お気に召さなかった?!アイスとかシェイクの方が良いのかな?アイスは目の前にあるコンビニで買えるけど、シェイクはお店を探さないと買えないし……って考えていたら、橘 奏はポンポンと優しく頭を撫でてくれた。


唐突な出来事で頭の中がポカーンとなったまま、ぎこちなく橘 奏の方へと視線を移す。


「一人で抱え込み過ぎなんだよ」


「え?」


少し悲しそうな表情で、優しく声をかけてくれた。橘 奏の瞳が、切なそうにあたしを見つめるから胸が苦しくなった。


「か、抱え込んでなんかいないわよ。だって、あたしのせいで亮太達に迷惑をかけちゃったんだし……」


そうよ。自分がした事を忘れちゃいけない。そして、今でもそんな自分が嫌いだし許せない。いつも傍に居るのが申し訳ない。


それにこれ以上、橘 奏に優しい言葉をかけ続けられたら、“いつものあたし”があたしで居られない様な気がした。だから、膝の上にギュッと力強く拳をつくって、いつものあたしを保つ。


だけど、橘 奏はそんなのはお構いなしに凄く真剣な瞳で見つめて話し続ける。