君に幸せの唄を奏でよう。




だから謝りたかった。でも、亮太達は優しいから、自分を責めないでっと慰めてもらう形になってしまう。


みんなに、そんな風にさせている自分が嫌い。だけど、弱い自分はもっと嫌い。


だから、弱音を吐かないことにした。吐いてしまったら、弱い自分のせいで余計に亮太達に心配をかける。もう、これ以上甘えるにはいかない。


そして、そんな日々を大きく変える出来事が起きた。ファンクラブの先輩達にトイレへと連れ込まれて、佳奈が傷付けられてあたしがブチ切れた以来、嫌がらせは完全には無くならなかったけど、前と比べると凄くマシになった。


そして、2.3年生のファンクラブの先輩達が卒業した。心の中ではホッとした。これで亮太に迷惑をかけなくても良い。安心して、最後の中学校生活を送れる。


だけど、この時からおもしろ半分にからかってくる人達が増えた。


でも、気にしなかった。あたしは、先輩達がいなくなったから負けじと言い返した。だから、みんなは驚いていた。今ままで、嫌がらせをされても黙っていたのにって。


そのおかけで、嫌がらせは小さくなっていった。でも、その反面悲しかった。ファンクラブの先輩達が流した噂をまだ信じていることに。ついには、あたしが援助交際をしているという嘘の噂が流れた。


本当は、この3年間は苦しくて辛かった。だけど、亮太達ともう一つあたしを支えてくれたものがあったから乗り越えることが出来た。昔から、あたしの傍にある歌と音楽だった。歌をうたって様々な音を作り上げて、それを一つの音まとめて曲にして。


みんなで打ち合わせをしたり、未熟な所を互いに補ったりした。時に、ぶつかり合うこともあったけど、それは音楽に対してみんなの想いが熱いからって理解してたから、喧嘩にまではならなかった。


ただ、楽しくて楽しくて仕方なかった。ライブをするたびに増えていくお客さん。沢山の人が、あたし達のライブを楽しみにしてくれてる。そして、幸せそうな表情をしている。


それに、あたしにはお母さんがくれた無敵の言葉があった。


『唄の歌声を聴いていると、幸せな気分になるの』って言われた、あの日から自分の歌声と名前に誇りを持った。


あたしには歌がある。音楽がある。亮太達が居る。それに、お父さんに音夜に、天国から見守ってくれてるお母さん。


だから、あたしは歌い続けることが出来た。どんなことがあっても、みんなの心に幸せになれる歌を届けられるなら、なんだって頑張れる。


その為にも、あたしはもっと強くならなくちゃいけない。亮太達といつまでも笑顔で居られるように。心配をかけて悲しい表情をさせないために。


そして、どんな事があっても、あたしを支えてくれる人達を裏切らないように。そのおかけで、あたしは昔よりも強くなれた---。