君に幸せの唄を奏でよう。




話し合っていく中で、亮太達は、あたしが傷付いてないか心配をしてくれた。だけど、それはあたしの自業自得。だから、あたしは--。


「皆、心配してくれてありがとう。でも、あたしは大丈夫「「「ダメだ(よ)」」」


あたしの言葉は、3人の言葉によってピシャリと遮られてしまった。


「唄が、大丈夫だって言っても相手は先輩だ。どんな手段で、お前に嫌がらせをしてくるか分からないんだぞ?」


確かに、亮太の言う通り。先輩達の事だから、どんな手段を使ってくるのか分からない。


そして、亮太達は対象法として二つ考えてくれた。一つは、クラスで居る時は亮太が守ってくれること。二つ目は、あたしと選択科目が一緒の浩ちゃん、男女別合同での体育では佳奈が守ってくれることになった。


「巻き込んじゃってごめんね」


ただ、謝ることしか出来なかった。みんなは被害者なのに、加害者であるあたしを守る理由なんてないのに。それなのに---。


「気にするな!」

「大丈夫だよ。僕たちは仲間だろ」

「そうだよ。唄ちゃんが一人で抱え込まなくていいんだよ」


と、笑顔であたしを励ましてくれたから、嬉しくて胸がいっぱいになった。


だけど、その翌日から、先輩達が嫌がらせをしてきた。もちろん、女子ならではの噂を流してきた。“無理矢理、佐藤くんに告白をさせて調子に乗ってる”“佐藤くんに気に居られようと媚びを売ってた”とか。


そのせいで、あたし達1年生の間では、“高橋 唄に近づくと酷い目に遭う”という噂が流れ、1学年とクラスのみんなは離れていった。


そんな中でも、亮太達があたしの傍に居たから、みんなは“高橋に振り回されている可哀想な人達”と言われていた。


その事に関しては、心の中でホッとした。あたしのせいで、亮太達が嫌われてないと知り安心した。


嫌がらせはエスカレートしていったけど、怖くなかったし傷付かなかった。だって、亮太達が傍に居てくれたから。だけど一番辛かったのは、ファンクラブの先輩達と廊下ですれ違って暴言を吐かれること。


そのせいで、あたしの傍に居る亮太たちまで迷惑をかけた。あたしの代わりに、言い返そうとしてくれた。でも、それをしたら亮太達まで嫌われてしまう。


本当は、あたしが言い返せばいいんだけど、これ以上刺激をするとさらに迷惑をかける。唯一、あたしに出来ることは、あたしの代わりに言い返そうとしてくれてる亮太達を止めること。そして、安心してもらえるように笑顔で居ること。


でも、それと同時に罪悪感にみまわれる。あたしに守る価値もないのに、守らせてしまった。本当は、独りになれば良かったのに出来なかった。


あたしはずるい。亮太達を盾にして、自分を守ってるみたいで嫌だった。