君に幸せの唄を奏でよう。




そして、予想外の事件が起きてしまった---。


「高橋さん。3年生の先輩が呼んでるよ」


次の日のお昼休み、いつもの様に亮太と話をしていると、同じクラスの奥村さんに声をかけられた。


相手を確認するため、教室のドアの方に振り向く。そこには、短いスカート履いて濃いめの化粧をした3人の先輩がじっと睨んでいた。


その途端、嫌な感じがしてドクン、ドクンと心臓の鼓動がうるさくなった。間違いない、あの人達はファンクラブの人達だ……!一度だけ見た事があるから間違いない。


「…分かった。奥村さんありがとね。亮太、ちょっと行ってくる」


「おう」


それに耐えながら、奥村さんにお礼を言って、亮太に声をかけてから席を立ち上がる。本当は行きたくないけど、ここで逃げたら亮太を巻き込んでしまう。それを防ぐために、先輩たちの所に向う。

そして、亮太に見られないように教室の扉を静かに閉めた。


「あんたが、高橋 唄?」


ファンクラブのリーダーと思われる先輩は、低い声であたしを睨み付けた。


「…はい。そうです--?!」


突然腕掴まれたから、驚いて体がビクッと反応してしまった。


「ちょっと、付いてきてくれる?」


あたしの腕を掴んでいる先輩は、あたしの返事を聞かず何処かに連れて行く。


大人しく着いていくと、今は使われていない旧校舎に着いた。壁はボロボロになっていて、窓ガラスも掃除されてないから黒ずんでて蜘蛛の巣が張られていた。


凄く汚いなぁ……て呑気に考えていたら--。


「あんた、どういうつもりよッ?!」


と、壁に突き飛ばされてドンッと鈍い音がした。その衝撃で、背中から全身へと鈍い痛みが広がり、うめき声を出してしまった。


「何の……事でしょうか?」


ここで痛いって弱音を吐いたら、先輩達の気分を良くしてしまう。そんなのは、絶対に嫌だから唇を噛み締め痛みに耐えながら先輩達に尋ねた。


「はぁ?分かってるんだよ。お前が、佐藤くんから告白されたって」


へ………?あたしが佐藤先輩に告白された………。


「えぇぇぇえーーー?!」


ちょっと待って、怒ってるのそれなの?!てっきり、佐藤先輩を指名されたのがバレて怒ってるんだと思った。いやそれよりも、告白されたっけ?!

でもあの付き合っては、流れ的に、“俺が周りを騙す方法と岡田から金を取る方法教えるから”っていう意味の付き合ってだったし……。