君に幸せの唄を奏でよう。




「なんで、そんな事を聞くんですか?!」


からかってるんだと思って、怒りながら聞く。


「この前見かけた時、岡田 浩平と2人で帰ってたから、付き合ってるんだと思った」


その言葉を聞いて、ゾクッと鳥肌が立つ。まさか、先輩に見られてたとは、全然気がつかなかった。それと同時に、佐藤先輩がいつも見張っている様な口調で話すから恐ろしくなった。


「でも、本当に付き合ってなくて良かった」


「どういうことですか?」


何故か、その言葉に嫌みが含まれてて、頭にきたからキツい口調で言葉を返した。


「だって、君と彼は釣り合わない。彼と居る価値はないよ。彼のいいところと言えば、お金持ちだけだそうだから、ヒモには最適だと思うよ。

だからさ、俺と付き合わない?俺が彼から上手にお金を取る方法教えるからさぁ」


その言葉を聞いて、ブチっとあたしの中で何か切れる音がした。それと同時に、パアン!と乾いた音が静かな空間に響き渡った。


本当は、イジメる理由を聞いた時から手を出しそうになったけど、、それをぐっと堪えた。だけど、さらに浩ちゃんの心の傷をえぐるような発言に、怒りを抑えきれず佐藤先輩の頬を平手打ちしてしまった。


「ふざけないで!浩ちゃんは道具じゃないわ!そんな事を言われて、浩ちゃんがどんな気持ちで耐えてたのか分かりますか?!」


先輩を睨みながら怒鳴った。それと同時に、浩ちゃんを傷つけてきた人達と同じ考えを持つ人が居たことに、悲しくなって胸が苦しくなる。


そんなあたしを見て、佐藤先輩は頬を抑えながら、驚いた表情で目をパチパチさせていた。


「あたしは、決して貴方を許しません。それに、あたしが誰と居ようと自由ですし、貴方に決められる理由なんてありません。では、失礼します」


ただ、淡々と低い声で言って、冊子を持って教室に出た。


だけど、この時のあたしは、佐藤先輩に対しての怒りが頭に中まで支配していた。そのせいで、周りをちゃんと見ていなかった。あたし達以外に人が居たのに、気づきもしなかった---。