「あたしは信じます。自分から信じないと何も分からないと思いますし、相手の本当の姿だって分かりません。だから、あたしは全力でみんなにぶつかりました」
あたしが変われたのは、歌と音楽のおかげ。亮太がベースを弾いているのを見て一緒に曲を作って演奏をしたいって思った。佳奈の優しい音色のピアノを聴いて、優しい歌をうたってみたいって思った。浩ちゃんの心臓まで響くドラムを聴いて、テンポの速い曲を歌いたいって思った。
みんなのおかげで、あたしは自分から前に進むことが出来た。音楽で心が繋がった。みんなが、あたしにキッカケをくれたから話しかけることが出来た。
だから、今のあたしが此処に居られる。堂々と此処に立っていられる。
「もし、佐藤先輩の言っている事が本当で、友達の関係が壊れたとしても、あたしはもう一度やり直します」
何度でもやり直せれると思う。だって、一度はわかり合えた仲だもん。何があっても大丈夫---。
「では、失礼します」
とりあえず目的を果たす事ができたから、自分の出来た冊子を持って教室を出ようと椅子から立ち上がる。
だけど立ち上がったのと同時に、佐藤先輩に右腕を掴まれて進むどころか振り解けない。佐藤先輩が何を考えているか見当が付かず、どうしたらいいのかパニックになる。
何故か、佐藤先輩は下に俯いてて、何をしたいのか見当が付かずパニックになった。
「…ねぇ、君がそこまで言い切れるのは、友達以上の関係を持った人がいるからでしょう?」
突然、そんな事を言われたから「え?」と声を零した。
「岡田とは付き合ってるんだよね?」
一瞬何を言われているのか分からなくて、頭がぽかーんとした。だけど、徐々に言葉を理解して、ぼっと顔が熱くなった。
「……えぇ?!あたしと浩ちゃんが?!」
ようやく理解して、声を上げながら慌てて答える。そのせいで、あたしの手から数冊の冊子がバサバサと床に落ちた。
落ちたことに気付いて慌てて拾っていると、頭上から佐藤先輩の笑い声が聞こえてきた。
やっちゃったよ、あたし!また笑われた!凄く悔しいっ!!
「どうやら、その反応は付き合っていないみたいだね。本当に君面白いね」
何故か佐藤先輩は、安心した表情で嬉しそうに呟いたから、余計に何をしたいのか分からなくなる。

