君に幸せの唄を奏でよう。



「おはよー!」


5日後、唄は何事も無かったかの様に、元気に挨拶をしながらクラスに入ってきた。


みんなは気まずそうに挨拶を返し、唄から距離を置いた。


「お、おはよう…」


「おはよう!亮太」


恐る恐る声をかける俺に、唄は笑顔で挨拶を返してくれた。


だけど、その笑顔は無理をして笑っている様だった。


唄はその調子で授業を受けていたが、1日中無理をして笑っていた。


「ねぇ、亮太!今日は、公園で遊ばない?」


いつもなら、自分の家に行こうと言うのに、今日は違った。


「…いいよ」


唄の誘いを不自然だと思ったが、俺は何も言わず唄と公園に向かった。



「亮太!次は、滑り台で遊ぼうっ!」


さっきから、唄のテンションがおかしい。俺たちは4年生だけど、公園であれだけはしゃげない。


俺には、無理してはしゃいでる様にしか見えなかった。


「楽しかったー!」


公園にある全ての遊具で遊び終わり、俺たちはブランコに乗った。


「そうそう。今日、算数の時間に隣の席の山本くんがね-」


楽しそうに笑いながら、今日の出来事を話しているが、本心から笑っている様には見れない。