君に幸せの唄を奏でよう。




「楽器より歌が得意なので、歌をうたいます」


唄の言葉を聞き、女子は「歌がヘタくそだったら、からかってやろう」と言っているのが聞こえたので、ひやひやしながら唄を見守っていた。


「♪~♪~」


鳥肌が立った。今までに聴いたことがない声が、音楽室に響き渡った。あまりにも、迫力があり時が止まったように思考が停止した。


俺の頭の中に綺麗な声が、響き渡った。


唄が歌い終わると、音楽室は静まり返った。あまりの凄さに、誰も反応が出来なかった。


俺が、クラスで一番先に拍手をした。俺の後に続き、みんなも拍手をした。


唄がとても幸せそうな表情をしていた。


さっき、唄のことを悪く言っていた女子たちも拍手をしていたので、 安心をした。


俺は、唄の歌声にも惹かれた。


いつか、唄と演奏をしたいと思った。


だけど、その夢が叶うはずがないと思っていたが……



「篠原くんって、いつからベースを弾いてたの?!」


放課後、唄が興奮をしながら話しかけてきたので、驚きを隠せなかった。