「どうよ!」


歌い終わり、音夜に強気で言う。


「まぁまぁだな。さっきよりかはマシだな」


偉そうに~~!


「それはどーも!」


嫌みぽっく返した。


「で、どうだった?」


突然、音夜が聞いてきた。


「何が?」


「考え事なしで、歌をうたったのは?」


「うん。さっきよりかは気持ちよく歌え--!」


はっ!まさか……!


「お~と~や~!ハメたわねッ!」


あたしは、ハメられた事に気づいた。


「さーなー?なんの事だか」


音夜はとぼけ、アコギを弾き続ける。


でも、音夜のおかげで、さっきよりは気持ちよく歌えたかも…。


もしかして、音夜なりに気を遣ってくれたのかな…?


その不器用さが、嬉しいような嬉しくないような…。


「なにニヤけてんだよ。頭大丈夫か?」


「余計なお世話よ!」


いつも、一言多いんだから!


「…なぁ、PIECEの“笑顔”歌えるか?」


音夜が、聞いてきた。


「歌えるわよ。それが、どうしたの?」


あたしは、尋ねた。


「じゃあ、歌え」


「なにその命令口調ッ!?偉そうなのにも程があるわよッ」


「じゃあ、Aメロからいくぞ」


「無視かいッ!」


音夜は無視をし、弾き始めた。


まったく…仕方ないわね。


あたしは、歌い始めた。