【Thank you】

ありがとう いつもそばにいてくれて
すごく すごく 感謝してる
時々 当たり前だと思って
忘れてしまう


声をかけてくれることも
相談にのってくれることも
すぐそばでいてくれることも
当たり前じゃない


毎日そう思えるように
生きていきたい



「ひでぇー歌声だな」


「音夜?!」


防音室でアコギを弾きながら歌ってたら、音夜に声をかけられてビックリした。


「ビックリするじゃない」


「それは、俺の台詞だ。なんだその歌声は?この曲を作った、RINAに謝れ」


「うそッ?!そこまで、酷かったの?!」


自分では、全然気づかなかった…。


「……お前、考え事しながら歌ってたろ?」


音夜の鋭い質問に、ビクッと体が反応する。


「…してないわよ」


「…ふ~ん」


「それに、音夜には関係ないでしょ。…とにかく今は、歌いたいの」


何でか分からないけど、歌っていないと落ち着かない。


「ちょっと、待ってろ」


音夜はそう言い、部屋を出て行ってしまった。


どうしたんだろ…?


音夜はすぐに戻ってきたが、何故かアコギを持っていた。


「俺も久しぶりに弾く。どっちが上手いか勝負しようぜ」


「え?!なんでそうなるのよ?!」


音夜はあたしの言う事を無視し、向かい合わせになる様に椅子に座る。


「俺と勝負するのが怖いのか?」


音夜は口の端を上げ、あたしをバカにする態度をとる。


「上等よ!音夜には負けない!」


あたしは悔しくて、その勝負に乗る。


絶対、勝つんだから!


「どうだろ?俺の方が上手いかもよ?」


音夜が余裕の表情で言うから、さらに頭にくる。


「あたしの方が上手いわよ!」


「じゃ、さっきの曲を弾きながら歌えよ」


「やってやるわよ!」


あたしは、夢中になってアコギを弾きながら歌う。