君に幸せの唄を奏でよう。




「唄ちゃん。途中まで、送るよ」


草野さんは、あたしに言ってきた。


「そ、そんな悪いです!大丈夫です!」


「ハハ。俺は、大丈夫だよ。…実は、唄ちゃんにちょっと聞きたい事があるんだ。いいかな?」


「……?はい、大丈夫です」


なんだろ?聞きたいことって?


「とりあえず、歩きながら話すよ」


草野さんはそう言い、あたし達は、歩き出した。


「…橘の事なんだけど」


「え…?」


まさか、ここで橘 奏の話しが出てくるなんて…。


あたしは、少し驚いた。


「橘って、自分では気づいてないけど、かなりモテるんだ」


「そ、そうなんですか…」


聞いた途端、胸にチクと何かが刺さった感覚になり、痛くなる。


「だから驚いているんだ。橘が女の子の知り合いがいたことに」


「え?」


驚くって……?


「橘とは、高校の時から知っているが、女の子と関わってる所見たことないんだ」


「そうなんですか…」


それを聞いて、何故かホッとしてしまった。


「唄ちゃんは、あいつの事をどう思っている?」


「へっ?!」


予想外の事を聞かれたので、変な声を出してしまった。


「…実は、橘 奏の事はよく知らないんです…。でも、印象は変わりました。

初めて会った時に、あたしの歌を聴いて不愉快とか言ってきたんですけど-」


「歌ッ?!」


あたしが言った途端、草野さんは、とても驚いていた。


「…詳しく教えてくれない?」


急に、草野さんは真剣な顔をして聞いてきた。


急に真剣な顔をしてどうしたんだろ…?


もしかして、話したら橘 奏の事が何か分かるかも……。


「分かりました」


あたしは、草野さんに話し始めた。