君に幸せの唄を奏でよう。



【亮太 Side】


「で、話って何だ?」


俺は浩平に誘われ、ファーストフード店に来ている。


それにしても、浩平から誘われたの久しぶりだな……。


そして、浩平がこれから話す内容も何となく分かっていた。


「…単刀直入に言うけど、今日の昼の態度なに?」


浩平は、少し睨みながら言う。


「特に、高橋に対して。ちょっとひど過ぎない?高橋が何かしたわけ?」


浩平が睨むのをやめ、真顔で言ってくる。


やっぱり、俺そんなに悪かったのか…。


「…いや、唄は何もしていない。俺が、八つ当たりしただけなんだ」


俺は、ジュースを飲みながら答えた。


「じゃあ、なんで機嫌悪かったわけ?」


浩平は、理解できないという表情をしている。


「……ぶっちゃけ、正直言うと、唄が橘さんに関わるのが、少し嫌なんだ…」


だから、あんな態度を唄にとってしまった…。


唄は悪くないのに。


「…でも、今回は仕方ないと思うよ。橘さんにケガを負わせてしまったから、責任を感じて1人で行ったんだよ。」


浩平の言っていることは、もっともだ。


分かっていた。分かっていたけど、やっぱり…。


「唄が、他の奴と居るのを見るとイライラするんだ……」


「………」


浩平は黙ったまま、俺の話を聞いてくれた。


「この前、病院で橘さんの手術が終わった時、唄が泣いただろ?」


「うん。僕は初めて見たよ」


「俺は、5年ぶりに見たんだ」


「5年ぶり?」


浩平は、聞いてきた。


「…唄の母親が、亡くなった時だ。

それ以来、唄が泣く所を見たことがなかった」


「そうなんだ…」


浩平は、気まずそうに言った。