君に幸せの唄を奏でよう。



「あの……」


亮太が、気まずそうに言ってきた。



「助けて下さって、本当にありがとうございます」


「「ありがとうございます」」



みんなは、頭を下げながら橘 奏に言った。



「本当に助けてくれてありがとう」


あたしもお礼を言った。


「俺は、別に対したことしてないし…。だから、頭をあげてくれ」



橘 奏は、少し困りながら言ってきた。



橘 奏にそう言われ、あたし達は仕方なく頭をあげた。



やっと、橘 奏にお礼を言えたのでスキッリした。



「もう、こんな時間か…。時間も遅いから、帰りな」



橘 奏が、腕時計を見ながら言ってきた。



「嫌よっ!あんたが、先に帰るまで帰らない!」


「はぁ?!」


橘 奏は、驚いていた。


あたし達は4人だから大丈夫だけど、橘 奏は1人。


さすがに、怪我人を置いて先に帰れない。



「それと、あんたの怪我が治るまで何でもするから」



これは、あたしなりの責任の取り方だった。



「いや、そこまでしなくても……」



「だって、あたしのせいで怪我したんだから…せめて、治るまでは…」



自分に出来る事が、ちょっとでもあれば…。役に立ちたい…。



「……分かった。じゃ、こうしよ」


「?」


橘 奏が、言いはじめた。



「お前が別にそこまでしなくていいんだ。

責任をとる必要もない。だから、」



「だから?」


あたしは、聞き続けた。


「治ったらメールで知らせる。これだったらいいだろ?」


「えっ、でも……!」



それじゃ、何も出来ないじゃないっ!



「俺が、それでいいって言ってるんだ。いいな?」


「……うん」


あたしは、仕方なく橘 奏の案にのった。