「まだ、 わかんねーかあ…。」 はあ……と、 ため息をついたお兄ちゃん。 あぐらをかいて 膝をポンポン叩き あたしに手招きする。 座れって意味だ。 ハイハイしてお兄ちゃんに 近寄り、「重いよ。」って 言ってから背を向けて座った。 「ははっ、超余裕♪ びびり損だわ。」 なんていいながら あたしを後ろから抱きしめた。 お兄ちゃんの息が耳にかかる。 鼓動が背中ごしに届く。 太い男の腕が。 お兄ちゃんの 体温が 声が すべてが… あたしを安心させる。 「よく………聞いて?」