ピッ
「……もしもし。」
手が震える。
『りん?りんなの?』
「うん……。」
声が震える。
『よかったあ…。
やっとでた!
何回かけても出ないから
心配した!』
心配なんてしなくていい…。
「ごめんね。
ちょっとケータイの存在
忘れちゃってて。」
笑えない。
『いま、なにしてる?』
ドクッ!
怖い…っ。
「なにも、して、ない、よ?」
ちゃんと話せなかった。
どうしよう。
バレちゃうかも。
『ほんとに…?』
ドクンッドクンッドクンッ
「うん……。ほんとだよ。」
ドクンッドクンッドクンッ
『……………。』
ドクンッドクンッドクンッ!
『わかった。
明日は一緒に帰ろうな。
ぢゃあ。』
「っ!ばいばい!」
ぴっ!
通話終了ボタンを連打する。
「大丈夫だった?」
「うん!うん!うんっ!」
ぎゅーっと翼にしがみつく。
よかった………。

