「……俺が選んだやつ、
着てきてくれないと思ってた。
なのに、着てきてくれたから
期待しちゃったんだよな。」
「あ……っ、
でも「嬉しかったから。」
それから力なく笑って
あたしがあげたプレゼントに
近寄った。
「開けていい?」
満面の笑みを浮かべた。
「う、うん…。
大した物じゃないよ?」
あたしも涙を拭った。
遊夏がスルスルと紐をほどいて
ラッピングを綺麗に取って
手のひらサイズくらいの箱を開く
ふわっと、甘い香りが漂った。
「………ま、まぢ?」
「まぢっ!」
あたしがなりちゃんと一緒に
一生懸命選んだもの。
遊夏にぴったりの
――――――香水。

