『一滴』の雫




まるで誰かが妨害してるような感じ。



…まぁいいや。何たって楊と一緒に居れるんだもん!!



小6の1月から2人暮らしが始まった。私は自分でも


『有り得ないし!!』


って思ったもの。




楊が言い出したんだよね…。そんなに親戚が嫌いなのかな?



















―――2月。



『ねぇねぇ!咲ちゃんは誰にチョコあげるの??』

親友の藍由が話しかけて来た。



『やっぱり…楊君かな!?』

ボンッ…。一瞬にして自分でも顔が真っ赤になってしまったことがわかる。



『…やっぱりね!!そうだと思った!!』


藍由は私の事情を全て知ってるから……。楊を好きだって事も。



『じゃあさ、一緒にチョコ作らない?私、翔君に渡すから!!』




翔…ね。翔は私達の1歳年下の男の子。何かと私と藍由に構ってくる。


そいつが藍由は好きならしい。