「・・・親世代なら偏見も強いしな。そうじゃなくても俺もおまえもホントなら跡継ぎだから」

俺は頭を寄せられて慶介の肩に額が乗った瞬間、堪えきれずに泣いてた

馬鹿馬鹿しい
時代錯誤ってもんだろう
ゲイじゃなくても結婚しない奴なんか山ほどいる

家に帰りたいとかそんなんじゃない
普通じゃないってレッテル貼られたことが悔しい。嫌悪感を示されたことに傷ついた
この世で俺と慶介だけが異物のような気がして孤独な気分に耐えられなくなる


―――だけど、コイツは余裕だよな

俺と違って、余裕だ

別れたいか?って訊かれたよな。俺

「慶介はどうしたい?」

慶介の肩に額を押しつけたまま、しゃくりあげそうになるのを我慢して押し殺して、訊いた


別れたいのか、そうじゃないのか

そういう意味で


だけど俺は慶介の返事が予想外すぎて

涙が止まった




「一緒に死にたい」