「まだ歩くの~?私、もう無理」 『でも…早くしないと遅刻しちゃう』 響子は一歩も動こうとしないし… ここが何処だかも分からない… 誰か…助けて… 「どうしたの?」 …誰? 「お嬢さん達、もしや迷子?」 そう言って、手を差し伸べてくれたのは 『王子…』 思わず声に出ちゃうほど、美しい顔立ちをした男の人。 「王子だなんて、嬉しいお言葉だな」 優しい笑顔に、釘付けになる。 まさか…この人が日野 椿じゃ…