『響子、行こう』
「あ…うん」
全てが完璧な人なんて、近寄りがたい…
それよりもっと、話しやすくて話が合う男の子と出逢って…素敵な恋がしたい。
そんな人、いたらいいけど…
『……また同じ所に来ちゃった』
あれからどのくらい歩いたんだろう…
ここの校舎、広すぎてわけ分かんない…
完璧、あたし達迷子。
「私…もう歩けない」
あたしの遥か後ろには、ペタンと座り込む響子の姿。
これだからお嬢様は…
「雛、疲れないの?」
『まだ大丈夫っ!』
中学の頃、バリバリの運動部だったから体力には自信ある。
だけど、あたしにも限界がある。
このまま迷い続けたら…あたしまでバタンキューだよ…
