「椿様~どこ行くの~?」

「椿くん~待ってぇ~」


あ~

うっとうしい…



『トイレ…だけど、あんたらも来るつもりなの?』


俺は群がる女どもを思い切り睨みつける。

その途端、一気に場が静まり返る。



トイレなんて嘘だけど…
ただ一人になりたかっただけだし…





教室から出ようとした時



「生意気だし、どこが王子なの!?」

「まぁまぁ…落ち着いて、雛」


なんて会話が聞こえてきた。



さっきの女…



「あ…」


俺の存在に気付いたらしい。

なんか…すごく睨まれてるんだけど…



確か、さっき雛って呼ばれてたっけ…?



『…フッ…ヒヨコみたいな名前』


そう言って俺は教室を出た。



「あ~!!むかつく~!!」


なんて言葉が後ろから聞こえてくる。