亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~












魔力を秘めた奇妙な扉から出ると、顔に粉雪がビシビシと当たってきた。
………同時に、極寒の風が全身を容赦無く舐めて行く。



………今さっきまでいた、崖の真下の街の中は、とてもポカポカしていたのに。
………ここが雪国であったことを、ぼんやりと思い出した。

ザイとレトはフードを被り、一面真っ白な吹雪の世界に、再び足を踏み入れた。




積もったばかりの柔らかい雪の中を、ズボズボと両足を動かして進んで行く。






「………父さん、あれ…」


ビュウビュウと甲高い歌を奏でる風が絶えず聞こえる中………舞い降りてくる雪以外何も見えない空に何かを見つけて、レトが言った。

皮手袋に包まれた細い小さな指が指示す方には………夜になりきれていない薄暗い曇り空。







―――…それを背景にした、青い光を放つ………細い竜巻。
















雪空の中で消えたり、また現れたりを繰り返す、奇怪な青い一本の竜巻。

それは天高く伸びており、舞う雪を巻き込んでグルグルと円を描いている。


………ザイはその不自然な竜巻をじっと見詰めたが………前に向き直った。

「………青い光が弱い………小さ過ぎるし……何よりまず、だいぶ遠くにある。……………心配する必要は無い……」

「………あれが破裂するのはいつくらい…?」

「………まだ……当分はあのままだな…………………行くぞ、レト…」




危険は無いと判断し、二人は森の奥へと姿を消した。