あのノアと子供二人だけにしておくのは少々心配だが…まぁ、危険は無いだろう。
ノアからは、敵意も何も感じられなかった。…果たして、自分達は歓迎されているのか何なのか…。
戦士の月が昇るのは、もう明日の夜だ。こちらとしては、一刻も早く事態を進展させたいところなのだが…。
(………あの野郎、ぺらぺら喋りまくるくせに………まともに話す気は無いな…)
…それは、会った当初から感じていた違和感だった。
ノアは確かによく話す。だが、全て自分の目茶苦茶なペースに巻き込んでしまい、こちらは結局肝心な事が話せず仕舞いだ。………適当に丸め込んで避けられている、気がする。
「………何にせよ…鍵は奴だからな。………その気になるのを待つしか無い…か…」
「何の話?」
「ご機嫌取りは子供に任せようって話だ」
城の中に入った後は、王子のユノを新しい王として君臨させればいい話だが………その玉座のある謁見の間が何処にあるのか分からない。
それに、どうもこの城内の空間は強力な魔力が張り巡らされているようで、空間自体が歪んでいるためか、研ぎ澄まされたイブやリストの五感を駆使しても、方向感覚が狂ってしまう。…加えて体力の消耗が激しい。
……どうやら…この厄介な魔力…発しているのは、やはりあのノアの様である。
―――…ノアの協力無しでは、どうにもならない。
「独り言を言い出したら苦労人の始まりだって、ダリルが言ってた―」
「………」


