亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~





「………ユノの髪と色が似てるね……綺麗な門だね…」

「……悪夢、再来ね。また来る羽目になるとは…思わなかったわ」








白い城壁をしばらく辿って行けば、その先には白いキャンパスに映える、美しい城門の姿があった。
透き通るコバルトブルーの城門は金属の細い棒を幾重にも絡ませた様な門で、実に細かな装飾が細部にまで行き届いており、どんなに見詰めていても飽きない。

その光る青さにレトは目を輝かせ、ドールはげんなりとし、ユノに関しては…彼はそんな目の前の城門よりもその先に続く城への道をじっと見据えていた。

…黙ってはいるが、本当は早く中に入りたくて仕方ないらしいユノ。
その様子を横目で見ていたドールが、城門に触れようと手を伸ばした彼に待ったをかけた。


「…迂闊に触ったら駄目よ。焦らなくったって大丈夫。あたしの経験上、鍵無しのこの門は簡単に開くし………開いたら、悪夢の始まりよ。………最奥の城に着くまでが怖いのよ…ここは…」

…調査のためにこの城門内に足を踏み入れた時の記憶が、ドールの脳裏を掠める。
あの時もそう…少し触れただけで、門はひとりでに開き、さあどうぞと言わんばかりにドール達来訪者を歓迎してきたのだ。

………思えばもう、あの時から何かに見られていたのだ。
魔獣エコーとは違う、異なる目に。









「………ここから見えるでしょう?…城へと続く道の両端にある小さい池が。………あそこには魔獣のエコーが棲みついているの。…物凄い数よ………無事に着けたら幸運だわ…」

「………魔獣エコーって…見たところ何もいないけど…?………水面も凍ってるしさ…気付いていないんじゃ…」


そう言って再度中の様子を窺うユノに………レトは小声で囁いた。