頭突きをする勢いでレトの後ろ肩に頭を預け、大きな溜め息を吐いた。
「………年も身長も低い男の子から……担がれる日が来るなんてね…」
「まーたそういう事を。……身長だって一センチかそこらの差じゃないか」
年下年下と馬鹿にするものではない、と横から指摘するユノだったが、同じく聞いていたレトは、珍しくクスクスと笑みを綻ばせた。
まだ上手く笑えていない不器用な笑みのまま、レトは真後ろのドールに本の少しだけ振り返った。
…突然笑い出すかと思えば不意に顔を向けてきたそんなレトに、ドールは「……何よ…」と、どきまぎしながらも睨んだ。
「…年齢は無理だけど………………背は、すぐ追い越しちゃうよ。……フフッ…女の子は小さい方が可愛いよ…」
すぐに前へ向き直ったレトはニコニコと微笑を浮かべたまま歩き続ける。ドールを抱えたせいで代わりに地面へ転落していたアルバスは、三人の前に踊り出て先頭を進んでいた。
いつ何時でも空気を読まないアルバスの下手な歌声が、地下通路内を反響していく。
「―――……顔、赤いですけど―?」
ニヤニヤニヤニヤしながら囁いてきたユノは、目にも止まらぬ速さの蹴りによって、静かに制裁を下された。


