魔の者達は皆、緑の髪と美しい模様が入った瞳を持っているのだ。
ウルガの視線の先にいる子供も、その要素を全て取り込んだ容姿をさらけ出している。
………透き通った石が埋め込まれた杖を抱えて座り込む子供は、なんだかぼんやりとしながらウルガの方を見てきた。
………その魔の者は少女だった。
真っ白な肌に整った顔立ちの少女は、歩み寄って来るウルガを食い入る様に見詰めてくる。
………両者の視線が重なったまま、ウルガは歩み続ける。
宝石の如き緑の瞳に、自分が映っている。
………何を考えているのか分からない、読み取れない目。
その少女の前で、ウルガは突如足を止めた。
少女は臆すること無く、ウルガを見上げてくる。
………そんな少女に、ウルガは口を開いた。
「―――…ログ=マ=カステ様。……………………この様な所で何をなされているのですか。…王子の元にお戻りになったらどうです………」
………この国の王子に仕える、位の高い魔の者の少女………ログ=マ=カステ。
その辺の大臣よりも側近よりも身分の高いこの少女は、時折こんな所でぼんやりとしているのだ。
…………ウルガを見詰めるログの緑の目が、一度だけ瞬きをした。
………勿論、ウルガに返事などする筈も無く………………ログは無言で杖を立て、その場でゆっくりと立ち上がった。
……………そしてそのまま、踵を返してフラフラと歩いて行く。
「―――」
「………失礼致します」
小柄な背中に一度頭を下げ、ウルガは先を急いだ。
ウルガの視線の先にいる子供も、その要素を全て取り込んだ容姿をさらけ出している。
………透き通った石が埋め込まれた杖を抱えて座り込む子供は、なんだかぼんやりとしながらウルガの方を見てきた。
………その魔の者は少女だった。
真っ白な肌に整った顔立ちの少女は、歩み寄って来るウルガを食い入る様に見詰めてくる。
………両者の視線が重なったまま、ウルガは歩み続ける。
宝石の如き緑の瞳に、自分が映っている。
………何を考えているのか分からない、読み取れない目。
その少女の前で、ウルガは突如足を止めた。
少女は臆すること無く、ウルガを見上げてくる。
………そんな少女に、ウルガは口を開いた。
「―――…ログ=マ=カステ様。……………………この様な所で何をなされているのですか。…王子の元にお戻りになったらどうです………」
………この国の王子に仕える、位の高い魔の者の少女………ログ=マ=カステ。
その辺の大臣よりも側近よりも身分の高いこの少女は、時折こんな所でぼんやりとしているのだ。
…………ウルガを見詰めるログの緑の目が、一度だけ瞬きをした。
………勿論、ウルガに返事などする筈も無く………………ログは無言で杖を立て、その場でゆっくりと立ち上がった。
……………そしてそのまま、踵を返してフラフラと歩いて行く。
「―――」
「………失礼致します」
小柄な背中に一度頭を下げ、ウルガは先を急いだ。


