だいぶ冷めてきた鳥焼きを、ユノとドールはほぼ同時に口へと運ぶ。
香ばしい匂いが、鼻を突く。
「えっ…ドール、あんた城に行ったことあるのかい!?…さすがは元バリアン側!!調査しまくりだね!!それで、どうだったの?」
もぐ、とユノは久方振りの鳥肉を噛み締めた。ドールも続いて噛み締める。
「…どうもこうも……あれはね、例えて言うなら拷問器具である鋼鉄の処女よ。入ったら最後………生きて帰るのは難しいっていうか…」
「…お湯、沸かしておくね。カップ一つしかないから……三人で飲み合いこしよう。…………………………………………………………どうしたの、二人とも黙って…?」
少量の穀物をアルバスに与えながら湯を沸かしていたレトだったが………背後で交わされていた二人の声が、何故かピタリと止んだ。
何事だろうか、と振り返った途端。
「「―――オバァロロロロロ!?」」
……オバ…?
暗がりに卒倒し、何かキラキラと光るものを口から放出している………とにかく悶えながら嘔吐している二人の姿が、そこにはあった。
喉と腹を押さえ、左右にゴロゴロと転がりつづける。
「………え、何て?もう一回…」
「…何っつー下手物を創作してくれてるんですかレト!!」
ハンカチで上品に汚れた口元を拭い、般若の形相と化したユノがズカズカと歩み寄ってきたが、途中で力尽きたのか…「くっ…!」と呻いて膝を突いてしまった。
「………不味い…不味いよ…不味過ぎる…いや、不味いとかいうレベルを通り越した…ある意味革命的な…人知を越えてしまった…禁断の味とっ、食感とっ、風味とっ…」


