焚火をぼんやりと眺めながら、ユノはポツリと呟いた。
その問いに対し、ドールは………やはりそっぽを向いて、聞く耳を持とうとしない。
何故深手を負っていたのか、何故こんな所にいたの。
それらに関しては、ドールは何も答えなかった。
「………もう、ドールでいいわよ。ドールさん…とか………何だか気持ちが悪いわ」
「………そんな事を答えてほしい訳じゃないんだけど……ま、人には言えない事の一つや二つはあるって事で」
このまま続けても大した情報は得られないだろうな…と判断し、ユノは苦笑しながら肩を竦めて見せた。
…気まずい空気が流れる所に、タイミングを見計らっていたのか、それとも無自覚なのか、レトがこんがりと焼けた鳥の串焼きを二人に差し出してきた。
………サバイバルナイフよりも粗削りな刃物に刺さった、何ともワイルドな串焼きである。
「………熱いから、気をつけてね。あと、口を切らないようにね……」
手が動かせないドールには、あーん…とご機嫌な様子で食べさせ様としていたレトだったが、岩の上に置いてくれたら勝手に食べるわ!!と、赤面で拒否された。
受け取ったユノは、頭上へと昇っていく湯気に息を吹き掛け、冷ましていく。
「………城まで…あと、どれくらいなんだろう…。…案外近かったりして。……と思ったら遠かったりして」
「………何なの…?…もしかしてこの地下通路って…城にまで繋がってるの?」
偶然にもこの通路に墜落していたドールは、ここが城への通路であることをたった今知った。
「……城に行くのは勝手だけど………あそこはやばいわよ………死にかけたもの…」
…一度、調査で城に入った時のあの災難を、ドールは遠い目で振り返っていた。


