穴から入って来る薄暗い日光で、通路の先の様子が鮮明に見通せた。
…通路の先には、崩れた岩壁の山…とは明らかに違う大きなシルエットが一つ。
こちらからはまだよく見えないが、それが生き物であることは分かった。
…地に横たわるシルエット。一部だけ光がその身体を照らしている。
とにかく目を凝らし、あれは何なのか…と探りを入れるレト。
じっと見詰めていると、それは大きな鳥であることが分かった。
硬く大きな羽を投げ出し、力無く横たわる巨大な鳥。……カーネリアンだろうか?
野生の怪鳥が、何故こんな所に。
…見たところ、鳥はピクリとも動いていない。どうやら死んでいる様だ。不審に思いながら、レトはユノの手を引いてゆっくりと歩み寄った。
天井の穴の真下を通り過ぎ、煉瓦の細かな破片を避けながら歩いて行く。
…目前にまで怪鳥に近寄った時、その横たわる姿を見てレトは再度足を止めた。…後から覗き込む様に顔を出すユノは、さっと顔色を変える。
「………この鳥……羽、赤いね…」
「………赤くてでっかい鳥って………あー………僕、見覚えがあるんだけど…」
二人が顔を見合わせながらボソボソと話し合う、その対象の鳥は………真っ赤な、羽を持っていた。
しかも、カーネリアンよりもずっと大きい。
………この鳥は、少し前に二人とも見たことがある。
………襲撃してきた、バリアン兵士が連れていた鳥だ。
あの突然の襲撃は、今思い出しても腹が立つ。…痛い思いばかりした。
ふて腐れた様な表情で顔を背けるユノに反し、レトは首を傾げながら一歩…その巨体に近寄った。


