亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~









………あろうことか、この地下には存在しない筈の………外気を含んだ、光だった。

…レトは、一瞬我が目を疑った。
暗闇を指す白き柱は、地上で見慣れていた昼間の光である。
…出口か、と胸中でレトは淡い期待を抱いたが………残念な事に、出口ではなかった。

出口なら真横に光が射すが、前方にある光は天井から漏れている。



一足遅れて、ユノもその光景を目の当たりにした。薄ら見える彼の表情は、一瞬で強張った。




「………………何あれ。……天井に、穴が空いているじゃないか…。………うわっ…冷たい空気が吹き込んでる…」

「………長い間…使われていない…って………イーオさん、言ってたからね。…………でも……結構大きい穴だね…」


ふと見上げた先の、口を開いた天井は、どうやったらこんな大穴が空くのかと言うくらい、大きい。
床に散乱した元天井の煉瓦は、その一つ一つが押し潰された様に木っ端みじんだった。
………しかも。








(………雪が………そんなに無い…)






…長い歳月の間。あの天井が大口開いたままならば………入り込んでその真下に積もる雪は、もっと多い筈だ。
昼間の光が見下ろす真下の地面は、雪で真っ白になっているものの………僅かしか積もっていない。

…と、なると。












(………老朽化で穴が空いた訳じゃない。……何かが突っ込んできたんだ。………それと…穴が空いたのは、多分最近だ…)




…臨戦体勢に入れる様、再度剣の柄を力強く握り締めた。







「…………見て。…奥の方に何かいるよ……うわぁ…大きい…」